おやハニ部

今はハニワよりも土偶にハマっている。

あれは「河合郁人 A.B.C-Z卒業公演」だった-ABC座星劇場2023〜5 Stars Live Hours〜-感想

はじめに

A.B.C-Zから河合さんが脱退する?」


メールが届いた時、お知らせなんて珍しいと適当にURLを押した。

そこにはこれまで一度も考えたことのなかった決定事項が並んでいた。

河合郁人さんが A.B.C-Zでいるのは12月21日までと理解するのは簡単だった。

でも、気持ちを整理するのに時間は必要だった。


メンバーが脱退または卒業するグループを応援するのは初めてではない。NEWS、KAT-TUN、SexyZone。

ただ、「お別れする場」として設けられたコンサートや舞台に入るのは今回が初めてだった。


どのグループでも自担が抜けたことはない。

ただ今回はこれまでの他グループの時に抱いた感情とは異なり、「もしかしたら、ファンを辞めるかもしれない」と結構強く思った。


戸塚担としての自我はあるが、わたしは「5人のA.B.C-Z」が大好きなんだと改めて自覚した。

そして、正直なところ「4人のA.B.C-Z」を受け入れられる自信がなかった。

戸塚さんが嫌いになったわけじゃない。

戸塚さんのファンであるものの、グループのファンを続ける自信がなかったのだ。


よく連番するダチは河合担。

もちろんわたしがA.B.C-Zの世界に引き摺り込んだのだが、正直なところ、A.B.C-Zという事務所の中でもマイナーな世界を一緒に楽しむことができて、とてもとても感謝している。

だからこそ、ダチの担当が脱退することに大変な悲しさと寂しさを抱いている。


「歌って踊る河合さんが好きだから、抜けた後の彼について、応援はできるけど、これまでのように追えるかわからない」という言葉が猛烈に悲しかった。


絶対にダチを帝劇に連れて行かねばならぬと申し込み、ありがたいことにチケットが手元にやってきてくれた。

それはたまたま塚田さんの誕生日公演で、こちらを見透かしていたかのように、過去最高に見やすい座席だった。

 

ABC座を見る前に

今回のABC座は1幕2幕共にショータイムで構成されている。

初日の幕が開いた後、Xでは「なぜ帝劇でライブなのか」、「声出しはいいのか」「ペンライトってそういうことか」、「結局ファンサか」などなど、わたしがファンになってから過去最高じゃないかと思うくらい様々な意見を見た。


確かに格式高い帝国劇場でライブ?とは思ってしまうだろうが、貸主側の東宝がそれでOKして幕が上がったのだし、「日劇エスタンカーニバル」みたいなもんかと勝手に理解したら腑に落ちた。

大きなアリーナ規模の会場で見たかった、というのも本音だが、会場が取れなかった、採算が合わなかった、話し合いの中でこうなった……等、想像することはできる。が、それが明かされることはないだろうし、明かさない方がいいと思う。

ずっと舞台に立ち続けてきた5人の姿を見れる最後の場が舞台というのは個人的にはとても美しいと思ったし、実際に見るとやはり舞台に立つ姿がとても美しい5人だと思った。

 

1幕

1幕は「ジャニーズ伝説」のショータイムをそのまま持ってきたかのような、ジャニーズメドレー。

セットリストは割愛する。

「ジャニーズ伝説」の際のジャニーズメドレーは、これまでの血脈を絶やさぬ意志が強かったように思うが、今回はこれまでのエッセンスを今のA.B.C-Zとしての作品としての昇華と、これからの5人へのはなむけ、というかたちになっていたとわたしは感じた。


「Spirit」(NEWS)はおそらく本家の振り付けそのままだった。この曲がこんなに聖歌のような響きを持っていたのか、という新しい感想を抱いた。祈り、送りの場として、とても輝いていた。歌詞を見ても、4人から1人へ、いや、5人から4人と1人へ、贈る歌なのかもしれない。

その次に「I'll be there」(木村拓哉)を河合ソロで披露するが、これは彼の別れの言葉と意地の表明だったのだと。

「STAY」(SMAP)へ続くが、これも愛の歌である。

かたちが変わろうと、争うことなかれ、憎むことなかれ。撃つなら愛を。鼓動が止むまで共に行こう。

ありもしない永遠を誓うのではなく現実を突きつけられるような歌詞だが、今の我々にはそれくらいの劇薬がちょうどいいのかもしれない。

そして1幕最後は「オリジナルストーリー」で幕を下ろす。

ここから先はまだわからない。白紙の未来しかない。どう転ぶかは自分たち次第。

「僕らにしか紡げない」オリジナルストーリー。

我々が未来をむくことが彼らへのエールになるのだ、と言われているような気にもなった。

 

2幕

2幕。こちらは全編A.B.C-Z楽曲で構成される。2012年から続くABC座の演目からの焼き直しではなく、ABC座の中で行われる2幕としては「オリジナル」のショータイムである。

以下、感想。


雪が降る、JODEKI!

静かな曲で始まるのが意外だったが、Overtureとしてはぴったりだった。

そこからのJODEKI!で、じわりじわりと盛り上がって行く感じがあった。

12/10夜では戸塚さんが「ブラックミュージック!」とアドリブで叫んでいて、めちゃくちゃアドレナリン極まってるな(笑)と思った。

あとちゃんとバンダナに複数種類あるんだとも安心した。昼は白地、夜は黒地だったので。


mashup(fantastic ride×テレパシー)

元々マッシュアップというジャンルが好きなので嬉しいが、この曲はキーが低かったり歌が結構難しいなあ、と思う。


A to Z、Twinkle〜

何故かあまり記憶がない。


OVERHEAT、Black sugar、fragrance

別名、トラバサミブロック。

A.B.C-Zあるあるのデカい謎舞台装置。今回はパッと見がトラバサミ型の舞台装置である。火花出たりとかは無く、電飾で飾られている。

このトラバサミをガッツリ使うのはBlack sugarだが、これがまた良かった。

おそらく回り舞台の上に置いてぐるぐる回しているのだが、その装置間をメンバーが移動して踊っては移動しての繰り返しなので、センターというセンターが変わる。そして常に動きがあるので飽きない。

まるで見せ物小屋のようである。それともサーカス?

fragranceはvanillaとセットになるかと思っていたので、ここでやるのが意外だった。

 

花言葉(ペンラ芸)

花言葉という名曲がペンライト芸曲になったのは個人的に悲しくもなったが、これがなければ、最後にペンライト芸をしたのはいつのことか?というほど過去になってしまう。だからこそどうしてもペンライト芸はする必要があったし、多分1番やる必要があるのが河合さんだったのだと思った。その結果、ここは多少モヤモヤしようと、やるべき部分なのだろうと、通過儀礼的な感じで受け取った。


この青空は忘れない(GGK)

ちびっこ達の成長は著しい。

相変わらず目がいくのは上原くんですが、今回は寺澤くんにも目が行きました。そして陽成くんは大きくなった…。


Crazy about you(橋本ソロ)

橋本ソロで1番好きな曲なので、初日後にネットに上がっていたセトリを見て歓喜した。全生歌でバキバキに踊る橋本良亮さんを見て、カッコいい…、と惚れ惚れした。


story of us(五関)

関帝国。何度見ても似合う。

そう言えば他のグループでもこういう曲を最近聞かないので、旬ではないんだろうが、誰かソロやユニットでこういう曲調やらないかな?と思った。時代や旬にとらわれすぎないのもこの事務所の強みとも思っている。


戸塚ソロ

唯一の新曲。曲名はファミクラウェブ内の戸塚連載に出ている。

先にファミクラウェブの連載を見たので、新曲という情報だけ頭に入っていた。同じ衣装でイスを持ったジュニアと戸塚さんが1列になり入ってきて着席した瞬間に、「戸塚祥太の作品だ」と電撃が走った。

やはりこういう我々が予想していない方向へ昇華をする戸塚祥太という人間が好きなのだと改めて実感した数分間だった。

黒スーツ→白シャツ→緑スニーカー→黒パンツ→上下緑の下着、と脱いでいくのでアレはなんの比喩だ?と思いつつ、ファンの色は緑から白になったけど、彼が演者から1ファンになるということなんだろうか?そして赤照明の部分は葛藤?もがき?衝動?

1人になり、電源が落ちたかのように落ち着く。

そして、ギターをかき鳴らす。

声にならない叫びのようだった。カッコいい。やっぱりあんたはロックスターだ。

そのフレーズはどこかで聞いたことのあるような。


vanilla

聞いたことのあるフレーズは、vanillaだった。

昼夜と2回入ったので、夜に改めて確認したが、ガッツリvanillaのフレーズを弾いていた。歪んだギターの音色のvanillaも良かったのでゴリゴリバンドサウンドバージョンのvanillaも聴いてみたいなー、と一瞬思った。

完全コンサート再放送演出だったけど、これも色々な意味で必要だったと思う。

シルエットを使う演出(ジャニーズ伝説本編との関わり)、ジュニア時代からの名曲を5人でやること、の2つが大きいかな、などと思っていまして。

しかし、このvanillaの演出は何度見ても飽きない。表示される歌詞のフォントと、紋様のデザインが素敵。


S.J.G(塚田+4人)

12/10の昼夜共に、2番で河五が上手に行った時に壁の過去のジャケ写見て会話していたのですが、あれは毎回あるんでしょうか。夜は河合さんが過去の自分のモノマネして近くの座席が笑ってた。

なお、「2幕、塚田ソロはありませーん!」と塚田さんが最後に言って終わるけど、この曲はソロじゃないんだ…と認識がバグる。


君の優しさVS僕の愛情(河合ソロ)

歌詞を改めて読むと、めちゃくちゃ匂わされていて逆に泣ける。

ここの映像演出で、メンバーの星座が映っている。下手から、ふたご(五関)、さそり(戸塚)、てんびん(河合)、かに(橋本)、いて(塚田)。メンカラで光ってるし、なんならふたごとさそりは星座の中でもめちゃくちゃわかりやすい形している。途中で全部輝くので、見る余裕があれば見てほしい。

わたしが思っている以上に本人達も「星」というモチーフに良くも悪くも縛られているのだと、実感もした。


終電を超えて

確かにこれやるならBO!NEN!KAI!もさせてくれ、とは思った(笑)

ところでNEWSの増田プレゼンツ衣装を着用しているのですが、もしかしてお手入れした?とダチ(河合担兼増田担)が言ってまして。確かに前より重そうな感じがないし、丈もお直しした?後ろにも切れ込みが深く入ってるし、少し中を抜いたのか全体的に軽量化された感があった。


センセーション(SpeciaL)

この曲はすごくMIX打ちたくなるな〜と聞くたびに思う。うりゃおい!うりゃおい!


BRAND NEW LEGEND

下から上がってくるシルエットが本当にカッコよかった。素材で勝負してると思った。

この曲は低音がバンバンに響くアリーナ会場で聴きたかった、見たかった、とも思った。

5人、いや、1人×5の各々の意思と決意の表明の曲だった。おわりとはじまりのうた。

アイドルは終わりに近づくにつれ輝きを増すというけれど、星にも超新星爆発という現象がある。命を燃やしつくした星は爆発的に輝いてチリとなり、新たな命の糧になる。「5STARS」とデビューした彼らにはとてもお似合いだ。爆発して輝いて、新たな道を切り開いて行ってくれたまえ!


頑張れ、友よ!

わたしはこういう全身全霊で頑張れ!と応援される曲が嫌いです。「うるせえ!こちらとら頑張ってんだよ!わかっとるわ!」と逆ギレしてしまうタイプなので。という前提で感想を書きます。

「友」とは誰か?と考えた時に、5人は同じグループで同僚であると同時に戦友だったのかもな、なんて。多分本人たちはこの曲が好きっぽいので、自分たちから自分たちへの曲、と都合良く解釈した。


また出会える日まで

2幕最後かつ、ABC座最後の曲。

「頑張れ、友よ!」のカップリング。

歌詞が全て今の彼らにぴったり合う。

とどのつまり、理解できるところも、受け入れざるを得ないところも、腑に落ちないところも、みんな抱いている気持ちは異なれど元を辿ればほぼ同じところに行きついてしまうと思う。でも、「僕らの未来は誰にも奪えない」のである。その決断と結果は変えられない。「迷っても失っても」「その先で」「また出会えるはず」。

我々はその選択の先にある未来の、「また出会える日」へ向かって、生きることしかできないのだ。

たとえファンとしての命がつきても、人としての命がつきなければまた交わることもあろう。

時間はかかっても、いつかこの痛みが少しでもやわらぐ日はくる、とわたしは思う。とはいえそれは人それぞれなので、死ぬまで癒えぬ人もいるかもしれないけど。

でもまだありもしないネガティブな未来を無闇に想像するよりもひとまずは12月21日までは彼らを応援して、12月22日からまた考えればいいと思う。

時は前にしか進まないから。

 

おわりに

なぜ4人になるのか腑に落ちないところもあるけれど、ABC座を見たことで、もう変わることない決定事項として受け入れてしまったわたしもいた。


一言で言えば、今回のABC座は、「河合郁人 A.B.C-Z卒業公演」であった。

そんな彼は言った。12月21日まで精一杯やると。

そして彼の隣人は言った。12月21日まで毎日が最終回だと。


なるほど、それも然り。

A.B.C-Z」第1期の最終回。


もう、わたしが生の5人のA.B.C-Zを見ることは無い。

わたしは最終回を迎えてしまった。


次は、「A.B.C-Z」第2期の初回。


FC会員の更新時期は4月末。

ひとまず1回は更新して、4人のコンサートに足を運んでみようか、なんて話をダチとしながら帰路についた。